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2008年8月16日 (土)

C62-17号機を橋上から望む

名古屋市千種区の東山動植物園内の片隅、あまり人が入っていかないような場所に、狭軌鉄道の蒸気機関車最高時速記録を持つ日本国有鉄道C62-17号機がひっそりと静態保存されています。

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露天の厳しい保存条件のため、かなり汚れて痛んでいます。
日本鉄道史上の重要な文化財と思われますので、名古屋市金城埠頭に2011年春に開館予定の「JR東海博物館(仮称)」に移転して、永久に保存していただきたいと願うばかりです。
機関車の後方、キャブの後半部からテンダーにかけて、上部に赤い橋が架かっているのがわかります。この橋は一般道路が通っていて、名古屋市の東部から中心部に抜ける際に私自身、良く通る道です。いつか車を停めて、C62-17号機を上から見下ろしたいと思っていました。今日、名古屋に出かける用事があったために、まずは偵察することにしました。

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C62を見下ろす橋の側に車を止め、橋上を歩いて近寄って行きます。
今日も名古屋は35℃を超える猛暑で、僅か数秒で汗が吹き出てきます。見下ろすと、巨大なC62が見えてきました。橋の欄干も、熱したフライパンのように熱くなっています。機関車の後半部分は橋の下であり、全く確認することはできません。

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相変わらず、C62は汚れています。
橋の上は日を遮るものは全く無く、長時間の撮影は困難です。しかも、東山の森を通り抜ける見通しの良い道路なので、車は結構なスピードで飛ばしています。フラフラしていたら撥ねられかねません。ただ、この場所は頻繁にネズミ捕りが行われているので、名古屋でも要注意の地点です。

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C62の真上まで移動します。
日頃、見ることが出来ない角度からの機関車は新鮮です。全体に汚れ、錆が浮いていますが、金色の部分が光っていることに気が付きます。また、ボイラー後半部はデアゴスティーニのC62の様に左右分割されているものを接いでいるのが確認できます。

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煙室部分も左右分割のようです。煙突は塞がれています。もし開いていたら、内部に水が入って、更に腐食が進んでいたことでしょう。

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ボイラー上の安全弁は金色に輝いています。上部の細かい穴が美しく開いています。ひょっとして、部品を交換してあるのでしょうか。

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別の角度からの安全弁です。
塗装されていることが確認できます。また、安全弁台座はデアゴスティーニの部品のように内部から穴を通って飛び出ているのではなく、珊瑚模型の部品のようにボイラー上にカバーのように被せられています。

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汽笛も金ぴかです。
これも作り変えられているように見えます。さび付いたボイラーやランニング・ボードなどと比べると、対照的な美しさです。

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非公式側ランニング・ボード上のコックも金ぴかです。これも後付けのようですね。

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ボイラー銘板は、「日本国有鉄道・鷹取工場・製造番号3112ボイラー・昭和31年製」と記載されています。梅小路蒸気機関車館に動態保存されているC62-2号機のボイラーは、製造番号3113なので、17号機の方がひとつ前に作られたボイラーを搭載しています。竣工当時のD52のボイラーから新造のボイラーへの換装時期の兼ね合いなのでしょう。
このボイラー銘板も金ぴかに塗装されています。まるで模型のようです。

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ランニング・ボード上は、デアゴスティーニのC62のように、たくさんのボルトでついであることがわかります。全て六角ボルトです。デアゴC62もプラスねじでなく、小さめの六角ボルトならば本物に近い造形になるのに・・・と思われます。

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発電機は橋上からは確認できませんでしたので、その前部にあるATS発電機を撮影します。ATSが設置されたときに取り付けられたものなので。東海道時代をモデルとしたデアゴスティーニのC62には無い部品です。
大した腐食も無く、形を保っています。

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前照灯は、C62-2号機と同様のLP403です。副灯はありません。晩年を過ごした呉線は非電化だったので、副灯は最後まで取り付けられなかったようです。
LP403のステーの長さが、珊瑚模型のものより短いことがわかります。前照灯の配線は、公式側の煙室に沿って下に伸び、フロントデッキとランニング・ボードの境目を貫通しています。C62-2号機よりも配線は後方を通っています。

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足回りは地表から見た方が良く見えますが、クロスヘッドの銀色の塗装が印象的です。ロッドは赤く塗られています。一見、状態は良さそうに見えます。

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51号から組み立ての始まるエアーポンプとコンプレッサーが確認できます。

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ドーム後部の加減弁てこは、下側に伸びています。これはC62-2号機と同様です。
デアゴスティーニのC62は加減弁てこが上に伸びています。C62-2号機の竣工時にはデアゴのように上に伸びていたのですが、程なく下側に付け替えられたようです。第1号に付属していたDVDの映像で、東海道時代のC62-2号機が白黒映像で一瞬だけ収録されていますが、既に下側に改良された姿となっていました。上側になっている画像はまだ見たことがありません。

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ドームの腐食が相当進んでいることがわかります。非公式側のランニング・ボードは、このままでは穴が開いてしまいそうです。博物館への屋内展示への移送を強く望んでいます。

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この17号機は、ドームから下方に伸びる砂撒き管がボイラーケーシングの外側を通っていて、内側を通っていてすっきりとした2号機とは印象が異なります。

ボイラーより更に後方のキャブ部分は、橋の下なので確認することはできませんでした。とにかく暑く、10分もいられません。もう少し気候が良くなってからゆっくり撮影したいと思います。

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C62-17号機の側にはサル山があり、今日の蒸し暑さに延びているサル達が確認でしました。みんな動きが緩慢です。
夏休み中なので来園客は多いのでしょうが、機関車を見に来ている人はいませんでした。

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今日の目的は、松坂屋美術館で行われている「古代エジプトの美展」の見学です。灼熱の橋上からの機関車見物と異なり、涼しい館内での文化財の見学は快適です。エジプトは12年前に訪れたことがあるために、非常に馴染みがあるのです。ただ、当時は帰国前の空港で虫垂炎を発症して、非常な苦痛の中、帰ってきたという苦い思い出があります。あの時死んでいなくて良かった・・・。

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松坂屋のスポーツ用品売場では、北島選手を始めとするオリンピックの競泳選手が着用している、英国スピード社の水着「レーザーレーサー」が展示してありました。販売はされていません。
極薄なのに、ピチピチに締め付け、ウレタン部分の通気性は皆無のようで、機能的ながら何とも着心地の悪そうな水着です。このマネキンは相当スリムなので、実際に着用している選手はさぞかし苦しそうです。

前回はこちら
「週刊蒸気機関車C62を作る」前照灯の反射鏡の塗装

次回はこちら
「週刊蒸気機関車C62を作る」第50号

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コメント

yujiさんこんばんは。
毎日、さまざまな記事の書き込みを、こちらも毎日興味を持って拝見させていただいております。私は6日間の連休、書店にC62を買いに行った以外、ひたすら機関車の改造に明け暮れていました。これだけの時間があるとほんとうにはかどります。ATSや空気作用管も自作出来ました。火室上部のパイピングも布巻き管を作って見栄えが随分とよくなりました。今日はキャブの窓ガラスにつける回転式雪どけ?を作ってみました。
 ほぼ1年、金属工作を続けてきますと、糸鋸にしても扱いが慣れてきたなと実感してます。
 今回の小ネタは、バックプレートだけでなくキャブ内の火室部分もつや消しの黒で塗装すると、釜の厚みがでて重厚さが増します。yujiさんももし釜の部分だけでも黒に塗るならお薦めいたします。
 ところで珊瑚さんのパーツいいですね。私は自作不可能なC623などのプレート類だけ購入したのですが、安全弁の上部の細かい穴をしっかり再現しているのをま見ると食指が動きます。yujiさんはパーツ全部購入するのですか? 自作も楽しいですが完成度からするとパーツ購入もいいなあと悩むところです。
 明日からまた仕事ですがブログの更新を楽しみにしています。

投稿: 蒸気大好き | 2008年8月17日 (日) 23時41分

蒸気大好きさん、おはようございます。

休みの間に改造が進まれたのですね。ATS、空気作用管に布巻き管、キャブの回転窓など私にとって憧れのパーツです。

珊瑚模型さんのパーツは、2号機の分は一旦全て購入する意向です。シールドビーム、ボイラーの空気作用管など、東海道時代のC62-2号機には取り付けられていなかったパーツもありますが、時代背景にはあまりこだわらず、自分の工作能力に応じたものになりそうです。

休みの間は毎日外出していたために、全くC62の作成が進まなかったのが残念です。

投稿: YUJI | 2008年8月18日 (月) 08時46分

YUJIさんへ
こんばんわ!
C62の実写写真ご苦労様でした。これでデアゴC62の塗装自信を持っていけそうです。結構汚れが目立ちますが、それがいいんですよね。汚しが命です。より実写に見せるために!
ところで、オハニ3051、オロ3072アップしときました。
そしたら、なんと発売当時の103系(ブルー京浜東北線)がおもちゃ箱?から出てきました。チョッとだけNゲージ開発物語を書き綴りました。お暇な時どうぞ。
C62もあと1年ありますが、いろいろ情報お願いいたします。本日のC62情報はグッドタイムリーです。自信が沸きます。

投稿: 湘南急行鉄道物語 | 2008年8月18日 (月) 22時46分

湘南急行鉄道物語さん、おはようございます。

黎明期のKATO、いや関水金属のNゲージ模型、今から見ても良く出来ていることに驚きます。オハ31系はほとんど今の製品と変わらない出来だったのですね!興味深いものを拝見させていただきました。ありがとうございます。

東山動植物園のC62、真上から観察できる貴重な?機関車です。今後も製作に迷ったら観察に行く予定です。

投稿: YUJI | 2008年8月19日 (火) 07時37分

なんと!博物館入だそうです!

編集長敬白: JR東海博物館(仮称)展示車輌を発表。
http://rail.hobidas.com/blog/natori/archives/2009/07/post_1064.html

投稿: Takosan | 2009年7月26日 (日) 10時52分

Takosanさん、はじめまして。

リンク先のホビダスさんよりほんの少し早く、私の昨日の記事に書いております。どうかご確認頂ければ幸いです。

C62 17号機の博物館保存は強い願望であったために、非常に嬉しく思います。落成後はなるべく早く見に行きたいと思っています。

投稿: YUJI | 2009年7月26日 (日) 11時12分

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