マイクロエース「国鉄C53-45デフ無し・改良品」
この前、久々にNゲージ蒸気機関車を購入しました。それも大型機のC53です。
マイクロエースから売り出している今年の再生産品の「A7008国鉄C53-45デフ無し・改良品」です。11月はじめの連休に、近所のエイデン岡崎店の模型コーナーを覗いた時、このC53が、メーカー希望価格10290円(税込)のところ、特売で6800円(税込)と極端に安くなっていたために衝動買いしてしまいました。C62以外の大型旅客用蒸気機関車を買うとは思っていませんでした。こんなマニアックな蒸気機関車の模型を特売にして、はたしてどれだけの方が買うのか不明です。
主に戦前の東海道・山陽本線の特急・急行に活躍した高速旅客用機関車で、国産唯一の3シリンダー機です。
店頭で見かけて購入する気になったのは、このC53-45号機が梅小路蒸気機関車館に静態保存されているからです。しかも、現在保存されている姿のままにモデル化してあるので、現役時は取り付けられていたデフレクタもありませんし、ランニング・ボードの白ラインやパイピング部分の色入れなど、展示機の状態をよく再現しています。
小さい写真でわかりにくいのですが、キャブ側面の区名票入れの部分には、きちんと「梅」の文字が見えます。同じく今年再生産されたマイクロエースの蒸気機関車模型、C62-2小樽築港機関区・改良品では、区名票の部分は空欄なので、このC53の方が更に進化していることが窺えます。細かいディティールは、少々オーバーデコレティブな印象がありますが、真横から見た全体のプロポーションは直線的なC53をよく表現されていてなかなかです。
線路に置いてみると、やっぱりマイクロエースの蒸機の特徴である腰高感があります。フロントデッキより上は良く似ているのに、やたらとボイラーが嵩上げされているような印象です。
下半分を隠すと、実機と非常に良く似ています。梅小路の保存機はこんなに派手ではありませんが・・・。テンダーもリベットの表現がされており、古典型蒸機から近代型蒸機への過渡期の機関車の姿をよくあらわしています。C53は、直線的で力強いフォルムが魅力的です。
パイピングの彩色の無い非公式側は、オーソドックスな仕上がりです。塗装の艶は働いている機関車ではなく、何となく保存機の佇まいです。
ナンバープレートは4箇所とも形式名入りの大きなタイプです。これも現在の保存状態と同じです。
フロントデッキの手すり、連結開放てこ、ハンドレールなど、実機よりもどうしても太くなってしまうので、白く彩色してある部分が目立ちます。ボイラーは、実機はもっと太い印象ですが、多分嵩上げされているので細めに見えてしまうのだと思われます。前照灯にはLEDが仕込まれていて、きちんと点灯します。
テンダー後端です。
後ろのライト及び赤い標識灯は点灯しません。
マイクロエースの他のテンダー蒸機の比較です。
奥からC62-2、真ん中が今回のC53-45、一番手前がC56です。C62と比べるとテンダーが相当小さく見えますが、機関車本体は遜色無いほどの堂々たる体躯です。戦前、東海道の特急つばめ号を牽いて驀進していた3シリンダー機、きっと迫力があったことでしょう。
何度見ても下駄を履いたようなC53ですが、私の関心はスタイルよりも「昭和の鉄道模型をつくる」のレイアウトを走ることができるかどうかという一点に集中しています。
個体差はあると思いますが、マイクロエースのC62-2号機の今年の生産品は大型機ながらC140の急カーブを曲がれるという脅威の走行性能を誇ります。C53にも期待してしまいます。
久しぶりに「昭和の鉄道模型をつくる」のレイアウトを引っ張り出して、C53をレールに乗せます。後ろにはいつもの客車、オハ3126、鉄道博物館保存車を繋ぎます。さて、どうなることでしょうか。
結果からいって、微妙ながらNGです。
非常にスローの効く機関車なので、微速運転ならば周回することは不可能ではありません。しかし、少しスピードを上げると先輪は従輪が外れて脱線します。障害物への接触はありませんでした。ポイントを切り替えて駅へ入線させることも不可能です。ポイント部分で脱線します。
C62が問題なく走行するからといって、C53が走るとは限りません。先輪や従輪が動輪から近い場所にあることも影響しているかもしれません。残念ですが、本来の活躍の舞台の通り、広い場所でのびのび走らせるのが正解なのでしょう。
また、この機関車は前照灯が低速から明るく灯ります。C62やC56は超低速では殆ど点灯しないことと比べると、やはり多少は進化しているようです。
また、マイクロエースの蒸気機関車の走行性能には個体差が大きいので、ひょっとして走行可能な個体があるかも知れません。
梅小路蒸気機関車館に静態保存されているC53-45号機です。
梅小路の扇形庫の左から2番目に重鎮のように長年鎮座しています。一番左端のC51-239、そしてこのC53は梅小路入線時から静態保存で、今後も余程のことが無い限り動態復元されることは無いでしょうが、カットモデルにされて中身がドンガラのC51よりはC53の方が希望が持てるともいえます。保存状態は、他の静態保存機と同様に大変良好で美しく磨き上げられています。
また、動輪直径はC62などと同じ1750mmですが、長年の使用によるタイヤ部分の研磨のために、相当小さくなっているもようです。
左右二つのシリンダーに加え、台枠内部に3つ目のシリンダーがあるC53ですが、現在の保存状況では床下の鏡を通してシリンダーを確認することができます。
梅小路のC53の写真は、正面近辺の数枚しかありません。
いつも梅小路に行くと、C62の写真を撮りまくっておなかいっぱいになってしまって、他の貴重な機関車をゆっくりと観察する気持ちの余裕が無くなってしまうのです。模型を買ったことをきっかけに、今度はC53を見てこようと思います。
最近見ているSLの映像の中で、C53-45についてはNHKの映像で昭和36年の動態復元後の復活運転の時のものが残っています。特徴ある3シリンダー機の奏でる走行音もしっかりと楽しめます。
普通の機関車が2拍子のマーチのリズムだとすれば、C53は「シュッシュッシュッ、シュッシュッシュッ」という6拍子を奏でています。しかも微妙に音の間隔がずれているので、近づいてきたら確実に聞き分け出来そうなほどの独特の走行音です。
昭和36年に、大阪の交通科学館に入るときの本線走行シーンです。前の場面では付いていたデフレクタが既に取り外されています。ナンバープレートは形式名の無いタイプで、梅小路に入ってから形式名付きに交換されたものと思われます。たった2日間の復活運転のために、10年以上放置されていた廃車の機関車を動態復元するという措置がなされたことが、今では考えられないほどの贅沢であると思います。
隣を試運転中の当時最新鋭のキハ82が走り抜けて行く特徴的なシーンです。世代交代を色濃く感じます。しかし、C53-45も今後火を入れることは無いながら、おそらく今では既に影も形も無いであろう隣のキハ82よりも長生きしているのは皮肉なことです。
今のところはC53が牽引したであろう戦前の客車の模型は、私の手持ちではKATOのオハ31系しかありませんが、いつかは「つばめ」を牽かせて颯爽と広い場所を走らせたいものだと思います。戦前のつばめの客車セットがあるのかは不明です。
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コメント
昭和の鉄道模型は×でしたか。残念でしたね。
私もC50の前にKATOのC11を昭和の鉄道模型のために買ったのですが全然だめでした。(ウンともスンとも)
中古だったんで動輪の幅を短くしたり数を減らしたり改造を試みたのですがうまくいかず諦めました。
新橋に出張に行った時、時間があったので銀座の天賞堂をのぞき中古であったSLがC11だけだったのでダメもとで購入しました。
その後、新橋に行き出た所のSL広場にC11があり、ちょっと因縁めいたものを感じましたが、最終的には×でした。
投稿: カズキ | 2008年11月 8日 (土) 09時35分
KATOのC11、巨大なので走れないのですよね。多分、1/135くらいありそうです。カズキさん、改造まで試みられたのに残念ですね。
天賞堂、私も銀座に行って時間のあるときは寄っています。一番上の中古コーナー楽しいと思います。
投稿: YUJI | 2008年11月 8日 (土) 18時37分