「週刊フェラーリ・グランツーリズモ」第22号
デアゴスティーニ刊、パーツ付きマガジン「フェラーリ・グランツーリズモ」(エンツォ・フェラーリをつくる)の第22号です。
今週の冊子の特集は、1940年式のアウト-アビオ・ コストルツィオーニ815という車です。
舌を噛みそうな車名ですが、事実上のフェラーリ第1号車とのことです。歴史的価値が高く、非常に貴重な車でしょうが、日本での知名度は低そうです。2台作られた内の、たった1台だけが現存しているとの事です。
しかし本文を読むと、史上最高のドライバーと称されることも多い伝説のドライバー、アルベルト・アスカーリがグランプリレースで活躍する10年も前に、フェラーリの最初の車を操ってミッレ・ミリアを走ったと書かれています。非常に興味深いことです。
フェラーリがグランプリレースで、母なるアルファロメオを破って初優勝したのは、1951年のイギリスグランプリでのフロイラン・ゴンザレスの操るフェラーリ375です。同じくアルゼンチン人で、後に歴史に残る名ドライバーとなるアルファロメオのエース、ファン・マヌエル・ファンジオを破っての大金星でした。フェラーリのナンバーワンドライバーだったアルベルト・アスカーリは、このレースは序盤でリタイヤしていたものの、ドライバーの途中交代が認められていた時代なのに、交代を申し出るゴンザレスの申し入れを断って、後輩の輝かしい初優勝に花を添える美談を残しています。
そのシーズンはファンジオに次ぐ2位に終わったものの、翌52年は圧倒的な強さを見せて7戦中6戦で優勝し、文句無しのワールドチャンピオン。翌53年も連覇してフェラーリの第1次黄金期の立役者となりました。
しかし、その後はフェラーリを離れてランチャに移籍し、55年にモンツァでの非公式テスト走行時に事故死。アスカーリは伝説のドライバーとなってしまいました。
その名ドライバーも、このアウト-アビオ・コストルツィオーニ815に乗っていた時は若く、自由奔放なドライビングで1500kmのレースの内の200km地点でリタイヤとなっていたとのこと。10年後に圧倒的な強さを誇ったアスカーリのルーツがこの流麗な美しいクーペだったということを知り、グランプリレースが今よりもずっと華やかだった時代に思いを馳せます。今週号では、若い頃のアスカーリの写真を見ることができました。晩年(とはいっても享年36歳ですが)の恰幅の良いアスカーリと違って、ハンサムな紳士に見えます。
今週の部品は、右側リヤのタイヤハウス等です。
先週とほとんど同様の内容でスカスカに軽く、ちんまりとパッケージの中央部に収められています。
部品の一覧です。
タイヤハウス(リヤ/右)、エアインテーク(右)、ビス2本(CCタイプ)2.3×5mm、ビス2本(Wタイプ)2.0×5mm、オイルクーラー(右)です。
基本的に、先週の左側のタイヤハウスのパーツとの左右対称形ですが、オイルクーラーのパーツは左側よりも大きくなっています。毎回のように付属してきた10本ビスは今回ありません。
エアインテークの内部には、前回と同様に磁石が仕込まれています。金属製のボディパーツに作用させるということなのでしょう。相当強力な磁力です。時計など側に置かないようにしたいと思います。
今回も作業がありました。
先週と同様、タイヤハウスにオイルクーラーをビス止めするという、非常に高度な技術が必要で、かつ複雑な作業のために、実に約1分もの時間を要します。Wビスは今回のものを使用せず、先週あまった1本を使用します。それをビスケースから探すのも大変な苦労が必要です。
・・・ほとんどすること無いので、くだらないことを言っているほかありません。
タイヤハウスあっても、それを取り付けるべき車体はありませんので、このまましばらく保管ということになります。
先週の左側のパーツと比べて、オイルクーラーはずっと大きくなっています。
冷却効率やバランスを考えて、左右非対称になっているとのことです。
今週の組立てガイドでは、このオイルクーラーの解説が書かれています。
「冷却水はオイルクーラーで冷やされ、ポンプの圧力によってパイプを通り、エンジンへ。エンジンを冷却水が通るとき、燃焼の際に発生する熱を冷ましていく。エンジンの熱で暖められた冷却水はパイプを通り、再びオイルクーラーで冷やされるという循環を繰り返しているのだ。」とあります。
・・・そりゃラジエターの解説ですね。エンツォ・フェラーリのラジエターはサイドではなくフロント部分に二つ取り付けられています。この記述は何かの勘違いいうことで受け流しておきます。ラジエターの解説の時に、どんなことが記されるのかが楽しみです。
もちろん、オイルにもエンジンを冷却する機能があります。高性能車には、そのオイルを冷やすためのオイルクーラーが取り付けられていて、作用自体は冷却水を冷やすラジエターと同様です。
予断ですが、大学生の時にガソリンスタンドでアルバイトしていた頃、所長にエンジンオイルの役割について実に明快な解説を受けたことがあります。オイルの機能は大まかに分けて以下の5つです。
1.(エンジンを)冷やす
2.磨耗を防ぐ
3.密閉する
4.錆を防ぐ
5.きれいにする
5つの機能の頭文字を取って「ひ・ま・み・さ・き」。
仕事が暇なときにコーヒーを飲みながら話してくれた談話、今でも良く覚えています。
当時はエンジンオイルやエレメントの交換、タイヤパンク修理、タイヤ交換・ホイールバランス調整、バルブ交換等の軽微な整備は結構任せてもらえました。車好きな学生には楽しい仕事です。暇さえあれば、仕事中でも自分の車やパイクをピカピカに磨き上げていました。また、お客さんから手洗い洗車を頼まれると、作業後にチップをもらっていたりして、大らかな良い時代でした。
今回もエアインテークを取り付ける指示はありません。
でも、オイルクーラーのはめ込むだけなので、取り付けてみます。これだけ見ていても、車のどの部分のパーツなのかは一瞬ではわかりません。
タイヤハウスの取り付けはしばらく先のことになるので、しばらくは大切に保管することになります。オイルクーラーを取り付けると元のパッケージに収まらないので、先週同様保護材にカッターで穴を開けました。カバーをしておかないと、カーボンパーツなどを傷つけそうです。
以前組み立てた1/24タミヤのプラモデルのエンツォ・フェラーリのタイヤハウスとエアインテーク部分です。
ここは、リヤゲートを開けると丸見えになる部分です。タミヤのキットでは、タイヤハウスだけでなく、エアインテーク部分にもカーボンデカールを貼る指示があり、ヨレヨレになりながらも貼り付けましたが、どうやらエアインテークには必要なかった様子です。リヤゲートの裏側との接触部分のカーボンデカールがポロポロ剥がれてきて見苦しくなってしまいました。その点、デアゴスティーニのこのエンツォ・フェラーリはしっかりと密着して貼られているので安心と思われます。
次回の23号の部品は、右側のリヤ・ディスクブレーキやデカールです。
まだ右側のリヤタイヤやホイールも来ていないのに、ディスクブレーキが先にやってくる様子です。また保管パーツが増えるわけです。作業自体も「パーツを確認しよう」でしょう。
デカールはフェラーリのエンブレム2種のようです。2つの水転写式のものはフロンとカウルのサイドに貼るものでしょうか。4つのシール式の四角いものはどこに貼るのかわかりません。丸くないからタイヤじゃないし、四角いエンブレムのフロントノーズには既に取り付けられていますし、来週のお楽しみといったところでしょう。
前回はこちら
「週刊フェラーリ・グランツーリズモ」第21号
次回はこちら
「週刊フェラーリ・グランツーリズモ」第23号
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コメント
どこか見えないところに、カズキさん紹介のコマネチエンブレム
を自作して貼りたいですね。
投稿: honest | 2009年2月 4日 (水) 21時15分
>honestさん、こんばんは。
北野武監督のコマネチエンブレム、遠目にはフェラーリのエンブレムのように見えるような良く出来ていたものだったのですね。検索していたら画像がありました。
模型とはいいながらも、私はフロントフェンダーに取り付ける勇気はありません・・・。
今日も福豆をポリポリ食べながら、ビールでほろ酔いです。跳ね馬エンブレムがダブって見えてきて、コマネチになってくるかもしれません。
投稿: YUJI | 2009年2月 4日 (水) 22時18分
先日のコメントで本物は30万と書いたのですが15万みたいです。
テキトーな番組なのでテキトーに聞き流していました。
学生の頃、スカイライン(ケンメリの時代)のバンに乗っていたのですがホームセンターで買ってきた木目調の壁紙を貼ってワゴンっぽくしていた事があります。(今考えるとすごく恥ずかしい)
安土城のシャチホコ、フェラーリのエンブレムにしてみたらどうですか、1/10だとちょうどのサイズでは。
投稿: カズキ | 2009年2月 5日 (木) 07時37分
> 安土城のシャチホコ、
跳ね馬ならね跳ね鯱。
投稿: カズキ | 2009年2月 5日 (木) 07時42分
跳ね馬ならね跳ね鯱。→跳ね馬ならぬ跳ね鯱。
はね、はねで誤入力してしまいました。あまりのナイスボケに焦ってしまいました。
投稿: カズキ | 2009年2月 5日 (木) 07時45分
カズキさん、おはようございます。
安土城の金鯱、1/10にはちょと大きいながらも結構楽しそうですよ!車が形になったら試してみたいですね。昔ならばAIBOに付けて名古屋仕様にしていたところです。コマネチは恥ずかしくて、金鯱は良いのかと言われそうですが、異常な価値観の問題です。
実は、同じキンキラキンつながりでC62に戯れで取り付けて撮影しようかと思っていました。
でも、ルーフに付けても目立たないし、フロントデッキでもインパクト弱いです。つばめ号に金鯱というのもピント来ない感じです。
車に付けるならば、ロールスロイスのスピリッツ・オブ・エクスタシーや、ジャガーのリーピングキャットよりもずっとインパクトの強いボンネットマスコットになりますね。もろ名古屋仕様!
ボンネットマスコットでも良いですが、せっかく雌雄揃っているのでルーフの左右(エンツォの場合はポップアップドア上部)に取り付けても良さそうです。
でも、大きく美観を損ねるので、簡単に取り外せるように磁石か両面テープでの仮貼りにしておきます・・・。ボディパーツが来るのはずーっと先になりますね。
投稿: YUJI | 2009年2月 5日 (木) 09時07分
spirts of ecsatasy ,leaping cat. ゴールデン鯱ほこ、迷います。
投稿: honest | 2009年2月 5日 (木) 19時59分
PS シェープは知っていたつもりですが。名称はまったく知りませんでした。知らない人に自慢します。
投稿: honest | 2009年2月 5日 (木) 20時07分
honestさん、こんばんは。
帰宅してから早速安土城の金鯱を取り出して眺めています。高さ18mm。何かと遊ぶのにぴったりの大きさです。わくわくしてきます。
投稿: YUJI | 2009年2月 5日 (木) 20時32分