「週刊フェラーリ・グランツーリズモ」第29号
デアゴスティーニ刊、パーツ付きマガジン「フェラーリ・グランツーリズモ」(エンツォ・フェラーリをつくる)の第29号です。
今週の冊子の特集は、1964年式の275GTBです。
250系の後継の流麗なスタイルのベルリネッタです。レーシングカーを基としてのロードカーであった250系と異なり、富豪向けの豪華なロードカーを目的として設計された最初のモデルとなります。ある意味フェラーリの車作りの歴史的転換期の車です。
市販車改造クラスのレースには出場していて、1966、67年のル・マンではクラス優勝を遂げているので、持っているポテンシャルは十分にレースカーそのものだったのでしょう。但し、この頃からフェラーリは経営的に苦しくなっていくのです。
今週の部品は、フロントサスペンションパーツです。
先週の28号にてエンツォ・フェラーリの基本的骨格とも言うべきメインフレームが届けられました。いよいよフレームに取り付けていくパーツが続くようです。最初はフロントサスペンションからです。スカスカの軽いパッケージに戻ってしまいました。先週だけが特別だったので仕方ありません。それでもビニール袋にホチキス止めでちんまり入れてあるのではなく、きちんと台紙と透明樹脂で保護されて梱包しています。パッケージを開けた際のワクワク感があって見栄えしますが、取り出すのは面倒です。
部品の一覧です。
フロントダンパー用ロッド(左)、フロントダンパー用ロッド(右)、フロント用コイル2個、ビス3本(Dタイプ)1.7×5mm、ビス10本(Xタイプ)2.0×4mmです。
一まとめにすると僅かなパーツです。今回の10本ビスのXタイプはワッシャー付きですが、保管指示です。使用するDタイプのビスの1本は予備なので、今回は2本のビス止め作業だけとなります。
今回の組立てには、先週のメインフレームを使用します。
一週間でのこのパーツの落差に愕然とします。フロントダンパー用ロッドの取り付け作業はすぐに終わりそうなので、気を取り直して作業開始です。
フロントダンパー用ロッドは左右を間違わないようにします。でも、後部の凸部をメインフレームに開けられている穴に差し込んで位置調節を行うために間違いようがありません。相変わらず親切な設計です。購読者はアッセンブルのおいしいところだけ体験させてもらえます。
Dタイプのビスで、真ん中のビス穴を使用してねじ込んで固定します。パーツの凹凸を合わせてあるので、最初にビス穴の位置決めさえすれば1箇所のビスでもバッチリ固定できます。
左右共にロッドを固定して今回の作業は終了です。パーツの確認から始まって3分。本当にこんなことをしていてフェラーリ完成するのかと思うほどの作業時間です。二つのコイルスプリングは今回は使用せずに保管となります。
来週の水平ショックアブソーバーの取り付けの際にコイルスプリングも取り付けると思われます。位置だけ確認しておきます。
大きなメインフレームのホンの一部に小さなパーツを取り付けて今回の作業は終了です。離れて眺めると、どこを作業したのかはすぐにわからないほどです。しばらくは小さなパーツの取り付けの積み重ねとなりそうです。
フロントサスペンションのロアーアームはコクピットのフロアパネルに固定されているので、仮組みして位置を確認します。
アッパーアームを取り付けてもコクピットを組み立てないとサスペンションは出来上がりとならない構造です。サスペンションの仕上げは相当先の作業になりそうです。
次回の30号の部品は、フロントサスペンション周りのパーツです。水平ショックアブソーバーやアッパーアームです。今回のパーツと組み合わせてサスペンションの上部を組み立てていくことになると思われます。
このモデル、前後のサスペンションとも、ロアーアームもアッパーアームも取り付け部のヒンジの構造上、ピポット部分が上下に動作しないものになっているのが気になります。
普通の乗用車ならばアームは衝撃吸収のために上下動するものです。ただ現代のF1はフロントサスペンションアームのボディ側のピポットに回転軸は無くて固定されており、アームやボディ構造のたわみによってしか動きません。衝撃吸収は専らタイヤの役割で、ノーサスに近い酷い乗り心地とのことです。93年までのアクティブサスペンションの頃とは大きく変わっています。レギュレーションによる規制もありますが、タイヤの性能が著しく向上したというのが構造変化の理由です。
ひょっとして、エンツォの実車も、サスペンションアームが極端に短いという違いはありますが、「公道を走るF1マシン」の異名通りボディ側が固定されているF1マシンのようなサス構造なのかもしれません。それを再現しているのなら、デアゴスティーニさんは正解となりますが、果たしてどうなのでしょうか。
私個人は、上下動させる構造を省略したと思います・・・。
前回はこちら
週刊フェラーリ・グランツーリズモのメインフレームに既存パーツ仮組み
次回はこちら
「週刊フェラーリ・グランツーリズモ」第30号
| 固定リンク
「週刊フェラーリ・グランツーリズモ」カテゴリの記事
- テレビ東京「ヒットの復習」の取材を受けました(2012.11.03)
- 久々の「週刊フェラーリ・グランツーリズモ」はざいやさんのオリジナルケースに収めて漸く終章です(2011.04.18)
- 「ありえへん∞世界」の取材を受けましたが・・・(2010.04.03)
- めざましテレビ「ココ調」が取材にやってきました!(2010.02.06)
- 「週刊フェラーリ・グランツーリズモ」専用ディスプレイベース到着!(2010.01.10)
「ミニカー」カテゴリの記事
- 週刊「ナイトライダー」106号~110号 最終号、とうとう完成!(2023.07.17)
- 週刊「ナイトライダー」101号~105号 次回の配達でシリーズ終了!(2023.06.04)
- 週刊「ナイトライダー」97号~100号 今回終われば残り10号(2023.05.03)
- 週刊「ナイトライダー」93号~96号 コツコツ地味な内装作業を続けます(2023.04.09)
- 週刊「ナイトライダー」89号~92号 後ろから見なけれ完成形?(2023.03.05)
コメント
YUJIさま、こんばんは。
サスペンションの可動についてですが、先日パーツカタログの挿絵を見れるサイトを見つけました。
http://dgez2008.blog77.fc2.com/blog-entry-52.html
これによると、意外な事に?デアゴスティーニのキットの構造は実車と同じなようです。
他の部位についても、ユーザーズマニュアルと併せて読むと、色々な事が読み取れそうです。
…ところで、ペーパークラフトにはクリアボンドより木工ボンドの方が向いてますよ。お試しあれ。
投稿: 出アゴ円蔵 | 2009年3月26日 (木) 19時47分
出アゴ円蔵さん、こんばんは。
ブログでの詳しいご解説、ありがとうございます。
私、リヤサスも動かないなどといい加減なことを書いてしまいましたが、エンジンフレームの部分を見るとリヤのロアーアームは上下動しましたね。すみません。
フロントサスのロアーアームのヒンジの方向が間違っていなかったのには感心しました。やっぱりこの部分はF1マシンと同様の構造だったのですね!他の部分は割と実車に忠実に作っているのに違和感を感じていました。疑惑が晴れて安心です。(ご紹介のサイト、凄いですね!)
でもサスアームの長さがF1よりも圧倒的に短いから、挙動変化には敏感でバンピーな路面では素人は運転できない代物ですね・・・。ロードカーとしては考えられない設計ですが、そこがエンツォ・フェラーリのスーパーカーたるところなのでしょうか。
来週のアッパーアームのヒンジ部分も実車通りの様子ですね。
投稿: YUJI | 2009年3月26日 (木) 21時26分
ペーパークラフトの木工用ボンド使用のご教示、ありがとうございます。早速、明日から試してみたいと思います。
投稿: YUJI | 2009年3月26日 (木) 22時03分