「週刊フェラーリ・グランツーリズモ」第45号
デアゴスティーニ刊、パーツ付きマガジン「フェラーリ・グランツーリズモ」(エンツォ・フェラーリをつくる)の第45号です。
今週の冊子の特集は、1947年式の166S-166SCです。
グランツーリズモというよりも、レースカーとしての名車です。表紙の写真は、本文解説にもありますが、史上最高の名ドライバーの一人である、タツィオ・ヌヴォラーリです。特徴的な長いアゴですぐに判別できます。車は1948年のミッレミリアの時の166SC。数々のレースで伝説的な勝利を収めている彼も、この時は優勝の記録はありません。優勝者は、同じく166SCをドライブしていたクレメンテ・ビオンデッティ/ジュゼッペ・ナボーネですが、表紙に名手ヌヴォラーリをもってくるところにこの雑誌のセンスを感じます。
重い肺病の影響で、吐血しながらのレース中にフェンダーをぶつけてしまいます。しかし諦めずにボンネットが壊れても外し、シートが壊れたら麻袋を敷いて走行を続けたものの、サスペンションとブレーキが壊れてついにはリタイヤ。決して諦めないヒロイズムに当時のティフォシ(フェラーリファン)は熱狂したことと思われます。
戦前の1935年、ニュルブルクリンクのドイツGTにて、磐石のメルセデス・ベンツとアウトウニオンのワークスチームを、スクーデリア・フェラーリのアルファロメオで鮮やかに破って第3帝国に赤っ恥をかかせて伝説となった彼も、当時は既に55歳です。病身で、間もなく寿命も尽きようとしている時でした。
フェラーリ黎明期のこの時代には、使用後のレースカーを好事家に高価に販売してレース資金の足しにしていました。
「フェラーリに行けば、本物のグランプリカーが買える!」との噂が駆け巡って、フェラーリに購入希望者の富豪が殺到しました。でもレースカーというのは一品モノなので数に限りがあります。商売上手なエンツォ・フェラーリは、レースカーの雰囲気そのまんまのレプリカを製作して販売します。この166S-166SCも、40台ほどのレプリカが製作されました。
しかし、顧客の声は我侭です。それにレーサーでもない素人にレースカーをまともに運転できるわけがありません。
「乗り心地が悪い!」、「荷物が載らない!」、「暑い!、寒い!」、「すぐ壊れる!」等というレースカーであれば当然のことを改善せよとの要望が絶えません。
ホトホト愛想を尽かしたエンツォは、レース資金のためと割り切って、顧客の要望に応えた不本意なロード・カーを作り続けていくことになるのです。
今回の部品は、左側のサイドパネルとエアダクト、及びエアダクトカバーです。
先週の右側パーツのと左右対称形であるだけで、ほとんど同等です。でも付属パーツと関係の無い組立て作業が続いているので、同じ作業ではありません。今回は、左右のタイヤハウスとサイドパネルを取り付けるという作業になります。
部品の一覧です。
サイドパネル(左)、エアダクトカバー(左)、ビス隠し、ビス3本(DDタイプ)2.3×5mm、ビス8本(CCタイプ)2.3×5mm、エアダクト(左)です。
ビスの本数が異なりビス隠しのデザインが左右で異なりますが、先週と左右対称形のパーツです。
今回の組立てには付属パーツとは別に、以前に配布されたものが必要になります。
メインフレーム、21号と22号のタイヤハウス左右とエアインテーク、44号のサイドパネル右側、ビス隠し、42号のキャップ、デカールの07、15、18です。ビスについては、今回使用分は配布されているもので間に合います。
エアダクトカバーにエアダクトを取り付けます。
先週余ったCCタイプビスを使用してサッサと作業します。
組み付けたエアダクトを、サイドパネルの内側に取り付けます。DDタイプビスです。
42号のキャップを、メインフレームの給油孔の下側のあたりの窪みにはめ込みます。組立てガイドには一旦給油孔を取り外すと作業しやすいと書かれていますが、後部からピンセットで滑り込ませれば十分取り付けができます。
カッチリとはめ込まれるので、接着の必要は無さそうです。
NO.15のデカールを、左右のタイヤハウスのオイルクーラーのサイド部分に貼り付けます。
エアインテークは既にはめ込んだ状態で保管してありましたが、邪魔なので一旦取り外して作業を行います。
右側パーツにも同様のデカールを貼り付けます。
貼り付け位置は、39号のデカールガイドに明確になっています。
メインフレームにタイヤハウスを取り付けます。
左側から、タイヤハウスの突起をメインフレームの切り欠きと穴に合わせて差し込みます。
内側から、今回付属のCCタイプのビスを使用して固定します。
ブレーキのケーブルの取り回しが不明ですが、挟み込まないように注意しました。固定ビスは1本だけなので少々グラグラしますが、後にサイドパネルを取り付けると落ち着きます。
サイドパネルを取り付けます。
CCタイプのビスで2箇所固定すると、グラついていたタイヤハウスもしっかりと落ち着きます。
ビス隠しを貼ります。
左側のビス隠しは、表面に黒く印がある方です。右側のものは、平滑な一面赤の板です。
右側のタイヤハウスとサイドパネルも同様に取り付けます。
タイヤハウス上部にNO.07とNO.18のデカールを貼ります。貼付位置は39号のデカールガイドを参照します。
これで今回の作業は終了です。
リヤ側のボリュームが増して、二等辺三角形の様相を呈してきました。
ドアとリヤカウルを仮組みします。
どうやらチリはピッタリと合っている様で、一安心です。エアインテークの上部には磁石が内蔵されています。リヤカウル内部に後の作業で鉄板を貼り付けるのでしょうか。
次回の46号の部品は、リヤバンパーです。ますます車体後部のボリュームが増していきます。
手持ちの各部のパーツが、どんどんメインフレームに取り付けられて減っていきます。このところ、暇だった前半の借りを返している様な気分です。
前回はこちら
「週刊フェラーリ・グランツーリズモ」第44号
次回はこちら
「週刊フェラーリ・グランツーリズモ」第46号
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コメント
昨日は、190円に興奮してとりとめのないコメントをして申し訳ありませんでした。
もうちょっとひっぱりますが、
アシェットのビスマルク(URL)、時期的にデアゴの零戦とかぶってしまうのですが(あえてぶつけて来た?)
実際はドイツ戦艦なので戦う可能性はない訳ですがゼロ戦が沈没させるかビスマルクが撃墜するか興味があります。
ここんとこちょっと忙しくて工作溜めてます。
投稿: カズキ | 2009年7月16日 (木) 05時36分
190円で先制攻撃、ドイツ側の作戦のようであります。
投稿: カズキ | 2009年7月16日 (木) 05時48分
カズキさん、おはようございます。
まだ190円のビスマルクショックの興奮冷めやらぬご様子。このままイギリス戦艦フッドのように轟沈されそうな勢いですね。
デアゴの大和より一回り大きい全長1250mmという巨大サイズの戦艦模型だけでも大迫力ですが、RC仕様に改造できることにもびっくりしています。
でも、こんな大きなラジコン、お休み時のプール借りるか池などでしか遊べませんね。池で遊んでいて、トラブルで行方不明になったら、165000円が藻屑と消えるわけですね。RC仕様いする費用を加えたら20万円超になるでしょうか。
フランスの会社が、宿敵ビスマルクを発売したことには、相当な大らかさを感じます。戦勝国だしなぁ。
日本は敗戦国なのに、フジミ模型がB29売っていますが・・・。
投稿: YUJI | 2009年7月16日 (木) 07時25分
> RC仕様に改造できることにもびっくりしています。
RC化できるのですか(内容もよくチェックせずにコメントして申し訳ありません)
大和と同じ作りなら船底は木組みでしょうからよっぽど浸水対策をしていないと沈没してしまいますね。また舵やスクリュシャフトなどの加工も、難易度が一気に増しますね。
フェラーリから一脱して申し訳ありませんでした。
日独伊という事でお許しを
投稿: カズキ | 2009年7月16日 (木) 07時45分
文字どうり,超ど級ですね。私はビスマルクはイギリスの複葉機ソードフィッシュのおまかせして、零戦を検討したいと思います。
投稿: honest | 2009年7月16日 (木) 09時54分
>カズキさん、こんにちは。
HPにRCグレードアップ等と書いてあるので、目を疑いました。浮かせるだけでも大変なのに、これだけの艤装を施した上では、余程管理できたところでないと航行させられません。
でもきっと砲塔のやレーダーの動作など凝る方がおられるのでしょうね。
>honestさん、こんにちは。
私もビスマルクは続けられません。
零戦も未定ですが、大きさからいって、ビスマルクよりは可能性がありそうです。
投稿: YUJI | 2009年7月16日 (木) 12時11分
エアインテークとのビスの奪い合い面白いですね。将来リアカウルの安定の為のものでしょうね。
投稿: honest | 2009年7月16日 (木) 13時52分
honestさん、こんばんは。
エアインテークの磁石、結構強力ですよね。
リヤカウルのラッチが無いのでこの磁石で吸着させるのだと予測しています。
でも気をつけないとビスが貼りつきますね。
投稿: YUJI | 2009年7月16日 (木) 20時39分
こんばんは~
私もドアとリヤカウルを仮組みしてみました。が、なんと、右サイドパネルとリヤカウルの所のチリが合いませんでした。どうやら右サイドパネルが若干反っているようです。勿論、直ぐに電話してパーツを送ってもらうことになったのは言うまでもありません。(笑)
それにしても、フロント部分をまた分解しなきゃならないのはとても面倒です。
投稿: ポップン | 2009年7月16日 (木) 21時29分
ポップンさん、こんばんは。
タミヤの1/24プラモでもエンツォ・フェラーリは外装パーツのチリ合わせに苦労しました。きっと僅かな歪みも許さないパネル形状であると思います。
デアゴさんの対応は素早くなったのだけは幸いですね。外装パーツは毎回、チリあわせしてみる必要がありそうです、
投稿: YUJI | 2009年7月16日 (木) 21時53分
こんにちは。
およそ3ヶ月ぶりにエンツォの組み立て再開です。
ひとまず部屋のあちこちに散乱するパーツ集めから、
取り掛かっています。
昼間はアキバに出かけて、
メーターパネル用のLEDと抵抗を入手。
出来ればウインカーを点滅させたいな~なんて、
夢は広がります。
ところで・・・ですが、
フロントキャリバーって、
右側にはブレーキケーブルがあるんですが、
左にはありません。
保管中に破損したのかと思ったら、
デアゴHP内・パーツ一覧の画像でも、
左側はケーブルがないみたいです。
それで正解なのでしょうか?
それと仮組みしていて感じたのですが、
フロントキャリバーの排気ユニットって、
どこに接続するのでしょうね。
DVDを見る限りでは、
スタビライザーが出ている穴に突っ込むようですが、
こんなところに入れたら、
前輪の可動が阻害されるような気がします。
ともかくこの3連休で、
コクピットくらいは仕上げておきたいと思っています。
投稿: シリウス | 2009年7月19日 (日) 01時37分
シリウスさん、おはようございます。
フェラーリがどんどん組みあがっていって、楽しい盛りですね。ウィンカーの点灯ですか!是非、成功させてご報告頂ければ幸いです。
きっと集中して作業されれば、毎週作業するよりも合理的なので、すぐに追いつかれると思います。
投稿: YUJI | 2009年7月19日 (日) 08時20分