週刊ハマーH1ラジコンカー 創刊号はやっぱり豪華版?
デアゴスティーニの組み立てパーツ付きラジコンマガジン「週刊ハマーH1ラジコンカー」の創刊号が6月15日に創刊になっていたので購入してきました。以前より、広島地区にてテスト販売されていたものが、晴れて全国発売となったのです。6月2日に私がマヌケ面を晒したテレビ東京系の「ありえへん∞世界」のデアゴスティーニ特集は、このシリーズの発刊の宣伝のタイミングに合わせて放送日が後送りにされたという経緯があります。タイアップ番組の放送をずらせたいほどの、期待の大型商品でもあるのです。
創刊号は、いつものように特別価格で790円です。
毎号少しずつパーツが付属してきて、全65号で完成するといった、デアゴスティーニさんのいつもの手法です。創刊号は盛りだくさんで安価ですが、2号以降は1冊1,790円です。
デアゴスティーニ:週刊ハマーH1ラジコンカー
http://deagostini.jp/hmr/
つまり、全65号のコストは115,350円です。ラジコンカーとしては非常に高価です。他にも工具やランニングパーツ、塗料など数万円は余計に必要かと思います。でも毎号の負担は僅かですし、1年4ヶ月間の間ゆっくり楽しませてくれます。合計価格を換算して、安易に「割高だ!」等と言うのは野暮といったところなのでしょう。しかも、同一のキットは市販されていない、全くのオリジナルモデルです。
分厚く大きなパッケージで、書店の店頭に大量に山積みされています。創刊号から数号は、店頭でパーツの中身が確認できるようになっています。
デアゴスティーニの新シリーズの創刊号はいつも豪華です。
実車のハマーH1の情報等が書かれた本誌に加え、作成するラジコンカーの詳細を解説するシリーズガイド、スタートアップDVDなどが同梱されています。とても790円の中身とは思えません。
シリーズガイドの見開きに、ハマーラジコンカーの原寸大の写真が掲載されています。8分の1スケールにて全長570mm。
既に完成している同じくデアゴスティーニのフェラーリ・グランツーリズモの1/10スケールのエンツォ・フェラーリと比べて1回り大きな迫力ボディです。
純粋なディスプレィモデルであったフェラーリ・グランツーリズモと異なり、今回のハマーH1ラジコンカーは実際に走行できるラジコンカーです。しかもエンジン駆動です。
設計、製作はラジコンメーカーの名門の京商なので、モノは確かなのでしょう。ラジコンカーの割に、細部のディティールに凝っている印象です。
車を操るプロポは、最終盤の60号までの購読者へのプレゼントとなっています。つまり、タテマエとしては、最後まで付き合わないとラジコンとして動かすことが出来ないということです。
シリーズガイドを見ると、ボディの仕上げも終盤となっています。最後まで、製作の意欲を持続させるため、というか、途中でやめさせないための工夫です。
各部のパーツの配布順を工夫して、最終盤まで全容を明らかにしないという、デアゴスティーニさんのクラフトマガジンの特徴を遺憾なく発揮されることでしょう。現在は、中盤移行どんなパーツ配布順にしようかと検討されていることかと思います。
ただ、私の経験上、デアゴスティーニのクラフトマガジンのパーツの配布順はどれも途中で何度か破綻を来たしています。せっかく組み付けた部分を大量に再分解させられたり、無理な組み付けを強いたり、そのためにパーツ不良を余儀なくされたりということが「必ず」どのシリーズでもあります。まだまだ日本では未成熟の市場であるパーツ付きクラフトマガジンなので、デアゴスティーニさんも構成に工夫をしているのでしょうが、私には顧客ニーズの徹底研究の結果ではなく、会議室内での浅墓な価値観の中での知恵に思えます。懲りすぎて、「策士、策に溺れる」状態です。
しかし皮肉を言うならば、そういった荒削りながらも、部活的な雰囲気による「尖がった」商品開発と予測の付かないパーツ構成が、ある意味で魅力でもあります。
きっと、書店で販売するといった形態のパーツ付きクラフトマガジンを、最後まで買っても作り上げる方はほんの一握りなのでしょう。作り上げる人が意外に珍しいので、私のところになど取材に来られるのだと思います。ありふれて来たら、普通の余暇の行動のいちバリエーションとなります。
過去いくつか、そして現在発刊中のデアゴスティーニのクラフトマガジンは、浅知恵パーツ配布はともかくとして、少なくとも模型のクオリティーは専門店のものにも引けを取らないものもあります。今後も子供だましでない本物を発刊し続ければ、きっと市場が確立していきます。
市場が成熟していけば、ユーザーも大人になってきて、最初の数号を経たら模型の製作順に沿ったパーツ配布におのずと変化していくでしょう。
創刊号のパーツは、とにかくハマーH1ラジコンカーの巨大なスケール感を体感できるものになっています。「見せる」ためのパッケージなので、透明ペット素材でパックされており、取り出すのが面倒です。
フロントマスク、グリル、46Tギア、ギアホルダー、ホイール、ホイールキャップ、3×8mm皿タッピングビス×3、デカールです。
ハマーH1の顔とも言うべきフロントマスクやでかいホイールで、このラジコンカーの巨大さが良く判ります。
このところの「航空母艦赤城を作る」等のデアゴスティーニのクラフトマガジンの創刊号と比較すると、迫力はありますが少々パーツが物足りないのも事実です。
強力なエンジンを搭載して実際に走行するラジコンカーなので、素材の質感は2の次になっています。衝撃に強いABS樹脂製で、しかもプラ生地丸出しの無塗装です。明らかにチャチな感じです。
ホイールも樹脂製なので、手に取ると実車のもつ重厚感はありません。リヤナンバーに至っては、紙製のシールです。
ディスプレイモデルではなく、ラジコンカーとしての機能性にシフトされています。
そのために、走ることの無い前作のフェラーリとは全くパーツの精度や質感は異なります。
ディティールアップさせるために、メタリック塗装を施すことが必要でしょう。走行させればすぐに剥げてしまいそうですが。
創刊号には、どのシリーズでもお馴染みのスタートアップDVDが付属しています。モデルの紹介や組み立てガイドがなされており、購買意欲をそそる内容です。
デアゴスティーニから今年の1月より発刊されているフェラーリF2007ラジコンカーのシリーズでは、創刊号ではなく2号にスタートアップDVDを付属させていたので、私は創刊号を購入しませんでした。やっぱり創刊号につけてこそ効果のあるDVDだと思います。ケチってDVDを2号に付けたことにより、結局購読のきっかけの大きな要因である、書店で創刊号を手に取らせられなかったという機会損失をたくさん生んでいるのでは、と邪推します。
DVDの内容は3つのパートに分かれています。
・ハマーH1ラジコンカーの魅力
・ハマーH1ラジコンカーを組み立てる
・ハマーH1ラジコンカーを走らせる
実車のハマーH1の解説や紹介は、静止画像を使用した僅かな部分だけで、後はこのシリーズのラジコンカーの解説です。
「GM担当者が実車の影像だと思った」と言わしめた、なかなか迫力ある走行シーンが納められています。でも、影像を見るとわかりますが、「実車と思った」というのは、はっきり社交辞令です。
人との対比にて、このラジコンカーの巨大さがよくわかります。
後半には、ラジコンカーの練習方法も収録されており、スタートアップDVDながら、シリーズ終了後も参考になる内容を目指しているように思えます。
実は私は、このシリーズの完成版を先月静岡にて開催された静岡ホビーショーの会場でいち早く見ていました。ホビーショーの京商のブースに試作品が展示されていたのです。
第一印象は、予想以上にデカイ!隣に並んでいたフェラーリF2007ラジコンカーに比べると顕著でした。
そして、意外と細部も作りこんでいることです。試作品は、きれいにガンメタに塗装されていましたが、これはユーザーが自ら好きな色に着色することになります。
ハマーH1の実車については、フェラーリなどのスーパーカーと異なり私自身はあまり興味の無い車種なので、このラジコンカーも創刊号どまりです。しかしそれは価値観の違いで、ハマーH1は熱狂的なファンが大勢いる車種です。軍用車のイメージそのままの無骨な機能美のせいもあるでしょう。
こんな4輪駆動車で、土埃を巻き上げて原野を走り抜けてみたい!というのは、いわゆるオトコの夢のひとつの様に思います。でもそんな原野ってどこにあるのでしょうか・・・結局は街で乗るのでしょう。こういう巨大な四駆で、周りの車を睥睨(へいげい)しながら街を走るのは気持ちよいと思います。
駐車場は2両分必要で、出かけても街中には停める所も無く、リッター4キロしか走らないといった、実用とは程遠い車です。しかし、全てを踏み潰さんばかりの存在感はバッチリです。他の車を見下ろしながら、大いなるムダを楽しむことがハマーの真骨頂でしょうか。もちろん、オフローダーとしての図抜けた実力の裏打ちがあってこそではあります。
残念ながら、GM破綻後のハマーブランドの中国の自動車会社への譲渡交渉は決裂して、その内消え行くことになっています。自動車界の恐竜も、時代の流れで絶滅の道を歩むことになります。でも、「エコなハマー」なんて見たくありません。
実車を所有するのは、諸事情から問題が多いので、この巨大ラジコンをゆっくり組み立ててその迫力の一端を味わうというのも楽しそうです。DVDの映像の様に、土埃を上げてラジコンを走らせる場所の確保が出来るかどうかがカギとなります。結局は狭い日本の世知辛い住宅事情に話が帰してしまいます。公園や河川敷で走らせたら苦情が来そうです。
次の2号は、2週間後の6月29日に発刊です。
3号以降も、それぞれ関連の無いパーツが付属しているので、このシリーズも製作途中は仕掛品の山だらけになる予感がします。
創刊号コレクションながら、今回のパーツはさすがに他の模型の役に立ちそうにありません。そのままお蔵入りとなりそうです。でも何故か、書店に山積みになっていると無視できないのです。
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コメント
先に発売されたアシェットのラジコンカー(こっちも創刊号だけ買った)と見比べていますが、実車をベースにしているこっちの方が断然魅力的ですね。エンジンも京商性という事でクォリティも高そうです。またプロポの送信機はあっちは別売りなのに対して付属しています。
私も創刊号だけですがエンジンはちょっとそそられます。
エンジンは9号分で完成のようなのでここだけでもとちょっと考えてしまいました。
今回、エンジンパーツからの配布だったら私もデアゴの戦略にのってしまうとこでした。
投稿: カズキ | 2010年6月19日 (土) 07時14分
>カズキさん、おはようございます。
なるほど、このシリーズの最大の特徴はエンジン画ラジコンでしたね。
創刊号は、ボディのパーツとともに、エンジンヘッドのフィンがある部分などを同梱しておけば、私もしばらく買い続けるかもしれません。最初の数号で中途半端なところまでエンジンを組んだら、中盤以降まで放置、という零戦の時のような方式ならば、もっと多くの人を騙せるのに、と思いました。
ラジコンカーのシリーズは、先のフェラーリF2007もDVDを創刊号に入れなかったり、今回のハマーのパーツがショボかったりと、変にセコイですね。
投稿: YUJI | 2010年6月19日 (土) 09時32分
YUJIさん こんばんわ
私も少し興味があったので書店で見てみましたが、すぐにやめようと決断しました。入っている部品がなんとなくチープに見え、完成写真をみたら、ヘッドライトも点灯しないように見えます。少年時代の電飾に慣れたのか、ライトが点灯しないなんて、実車に近いなんて言えません。
この後に出てくると思われるホンダのドリーム号に期待を寄せてます。
投稿: かめきち | 2010年6月19日 (土) 23時25分
YUJIさん
こんばんは。
ハマーラジコンカーのCM、頻繁に流れていますね(^-^;で、私も創刊号買いました。
DVDはなかなかそそる内容ですね(*^-^)
静岡ホビーショーで展示されていたのを私も見てきましたがギャラリーが結構多かったのにびっくりしました。それだけ興味がある人が多いのでしょうか。
今後購読するかどうかは完成させても遊ぶ場所を探すのに苦労しそうですのでもう少し考えようと思います。
投稿: たかとし | 2010年6月20日 (日) 00時07分
>かめきちさん、こんにちは。
普通の本格ラジコンカーは、ボディは透明ポリカーボネイトの一体成型で、リアル感よりも軽量化と耐久性に重視したものなので、このモデルはディティールにも凝ったという、どっちつかずの感じですね。フロントグリルはABS樹脂の生地そのままでチャチです。
ホンダCB750は発売されるのでしょうか。まだアナウンスがありませんね。
>たかとしさん、こんにちは。
ホビーショーでの京商ブースの中でも人気のコーナーとなっていましたね。DVDは、実車の解説が少ないのが残念ですが、ラジコンの操作方法と練習方法を詳しく解説しているなど、夢が広がる内容だったと思います。
>今後購読するかどうかは完成させても遊ぶ場所を探すのに苦労しそうですので
そうなのです。これだけ巨大なラジコンを思いっきり走らせる場所がありません。
投稿: YUJI | 2010年6月20日 (日) 11時18分
デアゴの社長ですが、なにかとお世話になっているYUJIさんに、このシリーズプレゼントします。嘘です。
投稿: honest | 2010年6月20日 (日) 18時40分
>honest社長、プレゼントお申し出、ありがとうございます。
でも、もらったものですと、電飾や武装の魔改造をした挙句、途中で飽きて投げ出して知らん顔って事態も想像できるので、心配ですね。
投稿: YUJI | 2010年6月20日 (日) 22時06分