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2011年9月17日 (土)

雨降り連休初日には自宅で「2001年宇宙の旅」でレトロな未来に浸る

3連休初日ではありますが、日本列島付近に停滞気味の二つの台風の影響のためか、雨模様です。天気予報は何処を見ても雨・・・。私の住む愛知県岡崎市でも朝から降ったり止んだりの落ち着かない空です。

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それでも時折青空が見え隠れしています。家でゴロゴロしていても仕方ないので、このまま晴れるのではないかと期待し、車を出して出かけることにします。

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しかし、晴れていた5分後には猛烈な雨。バケツをひっくり返したような、という表現が適切に思える状態です。これでは外出もままなりません。
結局、午後の遅い時間まで晴れたり土砂降りだったりといった極端な空模様でした。こんな休日には、おとなしく家で楽しむことにします。

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かなり前にamazonで購入していたのですが、見る暇の無かったDVDを鑑賞します。スタンリー・キューブリック監督の「2001年宇宙の旅」です。パッケージには1500円と書かれていますが、送料込みで990円で購入しています。名作SF映画も気軽に入手できるようになったものです。2時間半の長編映画なので、かなりの覚悟がないと見ることが出来ません。雨で蟄居を余儀なくされた今日は最適です。

1968年の作品ということで、実に43年も前の映画です。名作として語り継がれる映画は多くありますが、宇宙を舞台にしたSF映画は、改めて現代になってから見ると、設定の無茶具合や映像効果の陳腐さが目に付いてしょうがないのですが、この「2001年宇宙の旅」は、そんなことはどうでも良くなるような奥深さと想像力を楽しむことが出来ました。

この映画が公開されたころは、私は生まれたばかりだったので、映画館では見ていません。昔見たのはレンタルビデオでした。まだ子供だったので、特撮SFヒーローモノや、またはスターウォーズのような派手なアクションのある大スペクタクル映画を期待して見たので、当初のヒトザルの画面が延々と続くところで寝込んでしまったものです。何のナレーションや説明も無く、深いストーリーが坦々と進んでいくので、見る側の想像力が必要です。お子様だった当時の私には、理解することが出来ませんでした。

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サルが動物の骨を掴んで、それが道具になることを発見します。動物が人間になる過程において、「道具を使う」という革新が起こります。その道具で獲物を捕らえ、また戦いの道具にもなっていきます。

400万年の時を経て2001年、宇宙開発の時代に場面が変わります。最初の道具だった動物の骨は、宇宙船に進化しています。宇宙船はコンピューターによって制御されるようになります。物語中に出てくる有人木製探査船ディスカバリー号を制御するのはHAL9000というコンピューターで、人工の知能を持った「彼」が、自分を破壊しようとする人間から自分を守るために、反乱を起こして人殺しをしてしまいます。人間が作ったものが、いずれ人間を殺す存在になるという事態が生じてしまうハラハラ感、これは何度見てもいたたまれない気分になります。坦々と物語が進むことが、かえって迫力を増幅しています。

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シュトラウスの「美しき青きドナウ」をバックに、ワルツを踊るように宇宙ステーションが周回します。宇宙ステーションが周回する遠心力によって重力を得るという科学的な状況を、映像として作り上げていること等もこの映画の魅力です。もちろん、現在のCGを用いた映像技術とは比較になりませんが、無重量空間の表現といい、宇宙空間の描写といい、製作当時、わかる限りの宇宙旅行の光景を作り上げていることがわかります。NASAの全面協力の下、未知の現象にも妥協して適当にやっつけるのではなく、しっかりとした予測の元に製作されていることが伝わります。

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科学の発達は、1968年当時に想像した未来なので、実際に我々が体験した2001年の状況とは色々と異なります。まず残念なことに、劇中にあるような宇宙旅行は現代でも殆ど実現していません。1968年といえば、1961年にガガーリンが人類初めて宇宙空間に飛び立ってから7年後です。そして翌年にはアポロ11号が月面着陸を果たしています。順当に宇宙開発が進んでいれば、宇宙ステーションや月面基地などは当然実現しているものと思うでしょう。

コンピューターも、HAL9000のような、自ら意思を持って行動するものは出来ませんし、たった一つのコンピューターに宇宙船のような大きな機械全てをコントロールさせることも今では考えられません。また、劇中のコンピューターにはネットワークやソフトウェアの概念が無いようで、HAL9000の機能停止のプロセスは、メモリーを物理的に遮断していくという面倒くさいものでした。一つずつメモリーを抜いていくことにより、HAL9000の記憶が先祖がえりをしていく演出も、当時の創造であるようです。ボタンやレバーだらけの宇宙船というのも、ハードウェアの発達はわかっていたが、ソフトウェアについては未知であったことが窺えます。

実際の21世紀の世界とは、パラレルワールドのように別れて進化した世界である「過去に見た未来」が存分に体験できるのは、この映画が科学検証を徹底的に行って、非常に丁寧に作られていることによります。声紋認識など、部分的には現代科学の発達と照合するものもあるのも楽しいところです。

また劇中に2箇所、「日本」が登場します。宇宙船内で女性が見ているのが柔道の試合であることと、宇宙ステーションでの声紋識別装置の言語の中に「JAPANESE」があることです。英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ロシア語に加えて日本語。現代なら日本語のボタンが中国語に代えられているかもしれない状況なのが寂しいところですが、1968年当時でも日本語が代表言語の一つであったことがわかります。

超ワイドな、シネマスコープサイズの映画館の大スクリーンで得られる映像効果を最大限に活かして作られているので、家庭のテレビで見ると、特に終盤のモノリスとの遭遇の場面の映像効果などは、42インチのテレビでは迫力を感じられないところもあります。昔のような巨大スクリーンの映画館は無いので、当時の感動は体験できないかもしれません。

今流行りの3D映画にリメイクして劇場公開して欲しいものです。でも、ストーリー展開が激しい映画に慣れてしまった現代人には、この映画は冗長に感じてしまって、奥深い思想を感じる余裕が無いでしょうか。

家でゴロゴロしながら名作映画を見るひと時の贅沢さ。
過去に人類が想像したレトロな未来への憧れは尽きません。私にとって、繰り返し見たくなる数少ないSF映画の一つです。

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映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

人生の句読点の、定点としての私の映画、この映画の3D化とか、”カサブランカ”のカラー化など、ミイラの化粧と同じで御免と思いますが、たかが数十年の年月しか経っていませんね。

投稿: honest | 2011年9月17日 (土) 20時52分

 PS 特に"第3の男"のカラー化だけは、絶対反対です。

投稿: honest | 2011年9月17日 (土) 21時01分

YUJIさん こんばんは
こちらも、台風の余波により雨模様の一日でした。この一週間は全国的に雨模様になる予想で、色々心配される地域の方もおられる事でしょう。
>月面着陸計画
そういえば、先日テレビにてアポロ13号の事故原因について、予算不足による、本来使い捨てとして設計されたロケット部品のリサイクルが原因ではと言っておりなるほどと感心した次第です。

関係ない話ですが、本日、例のムーブメントを買いにハンズに行ったのですが、超音波カッター(USW-334、エコーテック)なるものを発見してすごく欲しくなりました。刃は普通のデザインナイフの刃の様なのですが、超音波にて毎秒4万回振動しカット出来るすぐれものです。プロモデラー御用達だそうですが、お値段が36540円と高価なのが・・・・

投稿: マーボウ | 2011年9月17日 (土) 23時35分

PS
超音波カッターでググると実演の動画アップされてました。
零戦の外板カット作業、これがあれば鼻歌交じりで作業完了??
失礼しました。

投稿: マーボウ | 2011年9月17日 (土) 23時43分

こんばんは

2001年の映画が出てきたので、だまってもいられず
コメントを入れさせてください
HAL9000
↓   一文字だけ進めると
IBM

有名な話です 笑

投稿: とおりすがり | 2011年9月17日 (土) 23時48分

2001年の年賀状のテーマはこの映画にしたのでいろいろと調べました。

キューブリックの作品は難解で公開当時あまりヒットしなかったようです。時計仕掛けのオレンジも難解でしたね。
そういえばニーチェのツァラトゥストラも難解で最初は全く相手にされなかったという事です。
という事でこの映画、何回も見ないと分からないです。

突然ですが私のSF映画ベスト3です(順位不同)
2001年宇宙の旅
タイムマシン(旧作)
エイリアン(1だけ)
敬愛するスピルバーク作品がありませんが(4位にBTF)

投稿: カズキ | 2011年9月18日 (日) 06時21分

>honestさん、おはようございます。

仰るとおり、私の言うような安易な3Dリメイク、この作品のような名作にとっては冒涜になりかねませんね。すみません。

デジタルリマスター版を期待します。


>マーボウさん、おはようございます。

アポロ13号の事故原因の話、初耳でした!湯水のように予算をつぎ込んだアポロ計画に、リサイクル原因の事故があったなんて。
後のスペースシャトルのための重要なデータ取りになったのでしょうね。

トム・ハンクス主演の映画も、久し振りに見たくなりました。

超音波カッター、検索したらなかなかよさげですね!作業効率が大幅にアップしそうですね。


>とおりすがりさん、はじめまして。

原作者のアーサー.C,クラークは、HALは
Heuristically programmed ALgorithmic computerの略だといっていたようですが、映画に全面協力してくれたIBMが喜んでいるので言い訳をやめたって話も有名ですね。


>カズキさん、おはようございます。

>そういえばニーチェのツァラトゥストラも難解で最初は全く相手にされなかったという事です。

あのテーマが有名になったのは、この映画のお陰ですね。

ベストSFにSWが入っていないのに意外でした。

私は2001年宇宙の旅の次にブレードランナーが入ってくるかもしれません。

投稿: YUJI | 2011年9月18日 (日) 07時02分

> ベストSFにSWが入っていないのに意外でした。
SWは最初から見ていますが、ちょっと・・・
SWは最近話題になったネタがありますね(URL)

猿の惑星も衝撃的なラストでベスト10には入っています。

投稿: カズキ | 2011年9月18日 (日) 08時11分

こんな記事を見つけました(URL)
YUJIさんのランキングに近いですね。

投稿: カズキ | 2011年9月18日 (日) 08時19分

こんにちは、YUJIさん。

私が初めてこの映画を見たのはヨーロッパ旅行への飛行機の機内でした。それまで名前だけは知っていたのですが、どんな映画だろうと思って興味津津に見たところ、飽きもせず夢中になって観賞しました。
そして、出てきた感想は「怖い」というものでした。単純な恐怖ではなく、底の知れない何かを垣間見た様な感じがして、自分にとってそれこそ未知との遭遇に近いものだったのかもしれません。
ちなみに私は続編の2010年も好きです。両方ともBlu-rayで持ってます。もっとも双方とも原作とはかなり違っているみたいですが。

最近のSF映画はCG全盛で現実ではありえないような映像を見せてくれます。が、それだけなような気もします。「2001年」の頃はCGなんてものはほとんど存在していないにもかかわらず、あれだけの映像を創意工夫して創ってしまったのですから、本当に素晴らしいと思います。
個人的には映画の楽しみの一つに、この映像はどうやって撮影したかを考えるというのがあります。今の映画はそういうのができず、ただCGをあてがえば良みたいになっているのが残念です。もっとも今の撮影者は今の撮影技術で創意工夫をしてくれているのだと思います。

投稿: KOU | 2011年9月18日 (日) 17時28分

>カズキさん、こんばんは。

ご紹介のサイトのSF映画の投票結果では、ブレードランナーが1位でしたか。明日にでも暇になったら見てみようかな・・・
順序は異なりますが、ベスト3は私のものと同じでした。

最近の映画のことに疎くなったので、古い映画ばかりがランクインしているのは何となく嬉しい気持ちです。


>KOUさん、こんばんは。

ヨーロッパ旅行の機内での「2001年宇宙の旅」のご鑑賞とは、きっと印象深いものでしょうね。

どうやって撮影したのか、という興味、この映画ほど深く抱くものはありませんね。各界の専門家による綿密な予測を元に作り上げた作品、今となっては過去に見た未来の世界であっても、決して色あせることがないのが素晴らしいと思います。

2010年、実は見たことがありません。amazonで探しました。これもまた、とても安く買えるのですね。早速ポチりました。

投稿: YUJI | 2011年9月18日 (日) 21時38分

はじめまして。

>現代なら日本語のボタンが中国語に代えられているかもしれない状況
国際宇宙ステーションでの日本の役割は大きいので、「JAPANESE」でいいでしょう。
中国は、独自の宇宙ステーションで我が道を行く。と言う感じですし。
柔道の試合が登場したのは、東京オリンピック(1964年)の影響ですかね。

HALの語源と由来ですが、
横田順彌(SF作家)の『SF大辞典』に「HALはIBMを1文字ずつ前にずらして命名されたとする」が紹介されていたことから、SF関係者の間で広まったのかもしれません。数年前、バラエティー番組で、松本人志(映画監督)が、「ココリコの田中から聞いた話だけど、HALはIBMを1文字ずつ前にずらして、IBMより一歩先行く意味らしい」とドヤ顔で語ってました。昔ほどではないでしょうけど、テレビの影響力は大きいですから、信じてしまった人も多かったと思います。

「North」「East」「West」「South」の頭文字を取り、NEWSになったとする説(俗説)に通じるものがあります。

アーサー・C・クラークは、Heuristically programmed ALgorithmic computerの略だと言ってますけど、『2010年宇宙の旅』に登場するSAL9000にはHeuristicallyはあてはまらなくなります。SALのSは何の略なのか知りたいです。

投稿: さつ | 2014年6月 1日 (日) 23時22分

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