寒い夜は自宅でひれ酒チビりと!
寒い冬に食べたい料理の代表格の一つがふぐ料理。先日、馴染みの店で堪能しましたが、昼間に車を運転して出かけたので、ふぐを味わう時の特徴的なお酒の楽しみである「ひれ酒」を飲むことは出来ず、ノンアルコールビールでガマンとなりました。写真のてっちりも良いですが、私は唐揚げも大好物です。
持った時に熱くない様に、竹製の袴を穿いた蓋付きの湯呑みくらいの大きさのひれ酒専用の器を用い、蓋を取ってマッチで火をつけてアルコールを飛ばしてから飲むという、ママゴトのような儀式が何とも楽しい。普通では考えられ無い様な沸騰寸前の熱々の超飛び燗の日本酒を使用するという、酒飲みのタブーのような行為もひれ酒ならではです。
食後に店を出るときに、水槽にたった今食べてきたふぐの仲間たちがいることに気が付きます。食前には全く目に入らないものです。仲間を腹いっぱい食べてきた人間どもにも、やさしく愛嬌のある瞳を向けてくれます。
水槽の隣に、たくさんのふぐひれが干されていました。もちろんひれ酒用のひれです。料理の副産物ではありますが、ひれ酒という逸品のための大切な食材でもあります。
たくさんのふぐひれを見ていると、猛然と味わい豊かなひれ酒のイメージが、頭の中にぐるぐると回ってきました。
とうことで、店でひれ酒を飲めなかった代わりに、既に干し終わったふぐひれを少し分けてもらってきました。通常では店で出す料理の素材を売ってもらうなんてあまり無いことではあります。
これで、自宅でひれ酒が楽しめます。ワクワクして帰宅します。
カラッカラに乾燥しています。このひれを焦げ目が付くまで炙ってから、沸騰寸前の摂氏85度くらいまでに熱した日本酒の中に入れて蓋をし、数分後に火で表面のアルコールを飛ばして完成となります。
店の様に焼き網で焼くのは難しいので、オーブントースターで炙ります。オーブントースターの中にアルミ箔を敷いてひれを載せ、焼き具合を確認しながら2分程度焼きます。この2分程度というのも適当で、オーブントースター内部の温まり具合やひれの状態によって大きく焼き時間が異なってきます。
焦げ目が付くぐらいに焼けてくると、美味い干物を焼いている時のような芳ばしさが漂ってきます。
日本酒を1合程度カップに入れ、焼いたひれを中に入れてから、電子レンジで80~85度まで熱します。今の電子レンジは液体を設定温度まで自動的に熱してくれるので便利です。
熱したらすぐにアルミ箔等で蓋をします。このまま数分程度、ひれのダシが日本酒に抽出されるまで待ちます。
蓋を開けて、素早く火を付けます。お酒の表面に漂うアルコールに火が付いて、少し青く輝きます。別に無理にアルコールを飛ばさなくても美味しく楽しめるのですが、このセレモニーがひれ酒の楽しみの一つでもあります。心なしか、生臭さや雑味も点火の際に一緒に飛んでくれるような気がします。ひれをお酒に入れっぱなしだとエゴくなるので、点火後に取り出しておきます。
私はお手軽な点火棒を使用していますが、マッチを使用した方が趣があるように思えます。
何しろ沸騰寸前にまで熱した日本酒なので、熱すぎてすぐには飲めません。ふぐのひれ酒専用の容器なら竹の袴を穿いているので持っても熱くはありませんが、普通の湯呑みだと熱くて持てません。味気無いですが、取っ手付のマグカップを使用しています。
何とも、コクのあるひれ酒の香りを楽しみ、冷めてきたのをチビリ、チビリ飲みます。肴が要らないくらいの塩っぱさと芳ばしくも濃厚なふぐひれの香り。これぞ冬のヨロコビの一つと感じます。
お酒は淡い飴色に染まります。これは焦げ目の色が溶けているのであり、あまり染まらなくても十分に美味しくなります。ひれは1枚でも、2枚以上入れてもそんなに大きな味の差は無いようでした。それなら1枚ずつ大切に使います。
一度に入れるお酒の量が多すぎると、しっかりとエキスが出ない様に思います。マグカップには少な目ですが、1合程度の量にしておきます。超熱燗にしてしまうので、そんなに良いお酒でなくても十分。
お酒が減ってきたら、再びひれをカップに入れ、また熱々のを注げば3号くらいは連続して楽しめました。しかし外飲みの3号は何てこともない量ですが、自宅で連続して3号も飲んでると、結構酔ってしまって妻に叱られます。しかも、「熱々でアルコールなんて飛んでるから大丈夫!」と呂律の回らない口調で言い訳して、更に怒られるのです・・・。
炙り足らなくて生臭かったり、ひれを焦がし過ぎたりしながらも自宅ひれ酒を楽しんでいたら、先日近所のスーパーでお手軽なひれ酒のワンカップを見つけました。こういう商品は以前からあるのですが、今までは気が付きませんでした。黄桜酒造と下関のふく料理店の「春帆楼」とのコラボ商品です。春帆楼は松坂屋名古屋店の南館にも店があるので、たまに行く店です。ふぐも美味しいですが、前菜に出てくる「鯛わた」が絶品で、毎回お土産に買って来ています。
これなら、わざわざひれを炙らなくてもお手軽にひれ酒を楽しめる様です。
説明書きには45度から50度に熱するとありますが、私の場合はやっぱり80度以上の超熱燗にした方が生臭くなく、美味しく飲めるようでした。
1合入りのワンカップ酒と、既に炙り加工済のふぐのひれ1枚が入っています。普通のワンカップのお酒の倍以上の価格なので、このひれの価値がお酒以上という事なのでしょう。
ふぐひれは綺麗に焦げ目が付くまでに炙られています。商品によって、ひれの状態に大きな差があります。だれでもお手軽に楽しめる様に。特別の加工が施されているような感じです。
ワンカップのアルミ蓋を取ってからお酒にひれを入れ、電子レンジに入れてやはり80度の超熱燗にまで熱してから蓋をします。
商品のビニールの蓋は熱でヘナヘナになるので、写真ではアルミ箔で覆ってから蓋をしていますが、小皿の方がお手軽です。
数品後に蓋を取って火をつけてアルコールを飛ばすと、ひれ酒独特の香ばしさが拡がります。かなり上手に出来たひれ酒の香りです。ひれの炙り方に苦労しなくても、お手軽に楽しめる商品は嬉しい限り。やはり飲む前にひれをお酒から取り出しておきます。
飲んだ後に再びひれをカップに入れ、手持ちの別の日本酒を注いで再び80度くらいまでレンジで熱すると、2回から3回楽しむことが出来ました。1杯で捨ててしまうのはモッタイナイ!へべれけになっても家にいるので、酔っぱらって電車を乗り過ごしたり転んだりする心配もありません。あとは寝床に入って寝るだけです。
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