
講談社のコミュニケーション・ロボット「週刊鉄腕アトムを作ろう!」の話題です。
長らく続いてきたこのシリーズも、9月11日に69号と70号が到着して終了となりました。一応私も最後まで組み立てたものの、セッティングに時間が掛かりそうなので、まだ起動はしていません。多分大丈夫とは思いますが、どこか組み立て不具合が見つかった際には時間を掛けて調査をする必要があるので、余裕のある時にのんびりと行うことにします。今後の続編は無いので、パーツが溜まって追われることはありません。アトム本体のレポートは今後ゆっくり行うことにします。

69号と70号と同時に、別売りのオプションパーツである「ATOM人感ライト・キット」が到着しました。アトムの組み立てに際して分解してしまうチェックスタンドを再利用して人感ライトにしてしまうというキットです。こちらは化粧箱ではなく、簡単なダンボールにパーツが直接入っていました。片づけが楽チンで好ましく思います。
組み立ても、これまでアトムを組み立ててきた読者なら極めて簡単。気軽に取り組めます。よそ事しながらゆっくり作っても1時間は掛かりません。早い方なら30分未満でしょう。
でも私の手元にやってきたATOM人感ライト・キットは、ライティングユニットの内部の基盤に不具合があり、正常に作動しない状態でした。簡単な構造であったために分解調査して原因を突き止めて解決しましたが、基板製造時の作業ミスであり、商品としては、はっきり不良品です。
不良品であるのがが私のものだけであれば良いのですが、同様に不具合を感じられた方があったら、分解せずにそのまま講談社さんに相談してパーツ交換して頂くことをお勧めします。同じご担当者が基盤の半田付け作業された場合には、同様の不良が生じる可能性が多分にあると思われる部分です。
パーツを取り出します。
一応ビニール袋に入れられていますが、ダンボール箱の中にそのままパーツが収められていました。でも箱のサイズが適切なので、輸送中にパーツが傷む心配はありません。

重要な電子パーツであるライティングユニットは、ケーブル付きLED等と共に小さな箱の中に収められています。この箱の中身のみが、ATOM人感ライト・キットのオリジナルパーツです。この箱に入っているもの以外のパーツは、チェックスタンドで使用していて一旦分解してアトム本体に流用したものの再配布となります。
チェックスタンドで長期間使用して小傷があるアトム本体の頭部パーツは今回のパーツと交換したくなりますが、分解が面倒なのでやめておきました。まあどうせアトムを動かしたら多かれ少なかれ傷が付くでしょう。

全てのパーツを確認します。組み立てガイドは簡単なA3のモノクロの裏表記載のものですが、判り易く書かれています。左下の黄色い箱が、今回問題があったライティングユニットです。

チェックスタンドに使用していたパーツを用意します。眠り顔のマスクと胴体、そして電池ボックス付き台座です。

組み立て手順は簡単なので割愛します。アトム本体を組み立てた時の手順と同じような作業ばかりです。

人感ライトのセンサーやLEDの取り付けは本編は無い作業ではありますが、難しくはありません。アトムの組み立てを経験していれば、全く問題なく進められます。

今回付属の電池ボックスは、既に台座に取り付けてあるものと全く同じものです。台座のものはそのままで、今回提供されたものはテスト基板に接続して使用するとのことです。
組み立て自体は30分程度で終わってしまいました。しかし光るはずの胸のハートの部分の赤いLEDが光りません。

仕方ないので、組み立て終わったものを分解して調査します。これが光らない胸のハート部分の部分のLEDです。
LEDが光らない原因として良くあるのは、LEDに取り付けてある配線を断線してしまったこと、そしてその次にLED自体の不良です。しかし今回の場合、原因はそのいずれでもありませんでした。
LEDの不良なら、これを機に高輝度の手持ちのLEDに交換してしまうのも楽しいものです。心臓の鼓動の様に、ゆっくりじわっと点滅する回路を仕込んだ赤色LEDを使用するのも一興。
しかしLEDテスターを使用してチェックすると、LEDはちゃんと光りました。ケーブルの断線もコネクター部分にも異常はありません。
とすると、ライティングユニットの部分から伸びるケーブルの断線か、内部の基盤の不良となります。ライティングユニットを分解すると、不良品だと言っても保証して頂けないかもしれません。私は自己責任に於いて、もし治らなかったら諦めるということにして分解調査を行うことにしました。

ライティングユニットの内部は簡単な構造でした。基盤を調査すると、不具合の原因はすぐに判明しました。赤丸で囲んだ部分の半田付けの部分です。ここは胸のハートの赤いLEDのケーブルが接続されている部分です。

ハートの赤色LEDのアノードとカソードに接続している端子の半田付け部分です。何と、プラスとマイナスの極の部分が繋がってしまっています。これではショートしてしまって、LEDが発光する訳はありません。
ここは手動にて半田付け作業がなされていると思われる部分です。電子工作を少しでもしている人が見れば「ありえない」仕上げです。ずさんに過ぎます。それにショートしているのは発熱など他の理由にもなり危ない。そのままだと基盤の他の部分も故障しかねません。

久しく使用していない半田ごてを取り出して改良作業を施します。
まず、誤ってプラスマイナスを繋げてしまっている半田を吸い取り線を使用して除去します。

プラスとマイナスと部分を分離して改めて正常に半田付けし直しました。

電源と接続して発光テストします。
胸のハート部分の赤いLEDが正常に光りました。

背中の部分の3連の白色LEDは最初から正常に発光していましたが、改めてチェックしておきます。こちらも問題なし。

頭部にも白色LEDが光る仕組みになっています。
こちらも最初から問題ありませんでしたが、一応確認しておきます。これで全て設計通りに動作する様になったと思います。

再びパーツを組み立てて、人感ライト・キットを完成させます。チェックスタンドとして使用して見慣れていた佇まいではありますが、これから新たな機能を吹き込まれて蘇りました。

チェック基盤が取り付けられていた背中には、ライティングユニットが取り付けられました。アトムが黄色いリュックを背負っているようです。取って付けた感はなく、なかなか可愛いと思います。

完成したアトムと共に、二つのアトムが揃いました。胴体パーツが無駄になることなく、良かったと思っています。

メインライトは背面にあるので、アトムの顔を前に向けておくと壁に反射して間接照明の様になります。

胸のハートの部分の発行部分がちゃんと光るようになりました。ハートのパーツが半透明ならもっと明るく輝くのですが、まあそれはチェックスタンドのパーツ流用なので仕方無いでしょう。

人感センサーを動作させておくと、アトムに近寄ると光るようになります。1分程度経つと自動的に消灯します。なかなか良い道具に生まれ変わりました。人感センサーはかなり敏感で、正面に来るとすぐに光ってくれます。
まさか基盤の半田付けの不良があるなんて思いもしませんでした。LEDが光らない場合には分解せずに講談社さんに連絡してパーツ交換をして頂くことをお勧めします。
講談社さん、とても良いオプションパーツを販売して頂きましたが、この不良部分はパーツの回収をして再発送をしなければならない程の問題です。鉄道模型のシリーズからずっとお世話になっているので、楽しみに買われた方々のお気持ちを考えると、少々心配です。
今後発送されるものは納期が遅れてでも、連絡をした上で、きちんと検品をして頂きたく存じます。
尚、ライティングユニットを開けて基盤をご自身で改良されるのは、他の部分のトラブルの原因になるのでお勧めできません。懇談社さんのお問い合わせ先のフリーダイヤルに連絡して対応してもらうことが最善です。メールでの問い合わせも出来ます。今回のキットのA3の組み立てガイドに連絡先は記載されています。
人感ライトは正常に作動すると、非常に楽しいモノになりました。今後はアトム本体をセッティングして楽しんでいくことにします。
前回はこちら
「週刊鉄腕アトムを作ろう!」第67号・68号 初のアトム電源入れ!
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「週刊鉄腕アトムを作ろう!」第69号・70号 シリーズ完結!とりあえずアトムを完成させます
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